乳幼児の血管腫、赤アザの治療

乳幼児の赤あざとは・・・
生まれつきもしくは、生後数日から出現することが多い血管奇形です。
赤アザの代表的な疾患である「いちご状血管腫」と「単純性血管腫」についてご説明します。

いちご状血管腫

出生時には明らかな赤みはないですが、数週後から隆起してきます。そして半年〜1年の間に最大の大きさになります。
ピーク時にかなり大きくなると、その成長過程に伸びた皮膚が、元に戻らず盛り上がりが将来的に残ってしまうので、早期からのレーザー治療が、大きさの増大を抑えてくれます。
また外傷で出血しやすい事もあるので、早めにレーザーを照射して消退させる乳児の方が増えています。

いちご状血管腫の特徴

表面がモコモコと盛り上がっている

10歳までに約9割以上が消退する

半年から1年で最大の大きさになる

単純性血管腫

出生時より認められる平たい紅色〜暗紅色の均一な色素斑で、ポートワイン母斑とも呼ばれています。
いちご状血管腫と異なり、自然消退はありません。
年齢と共に色が濃くなる傾向にあり、腫瘤を形成することもありますので、当院では早めのレーザー治療を行なっています。

単純性血管腫の特徴

平らで紅色〜暗紅色

自然になくならない

年齢と共に色が濃くなる

治療

▶︎レーザー治療とは・・・


単一波長の光(レーザー光)を、あざに照射する方法です。


このレーザー治療は、ほとんどの赤あざで有効性があり、多数の患者様に満足のいく改善が得られていますが、苺状血管腫の場合には、病変の状況によっては治療方針が異なります。

すなわち、早期の苺状血管腫でまだ病変が平らな場合は、レーザーをこまめに照射して、盛り上がりを防止しつつ病変を退縮に導きます。

一方ですでに完成された盛り上がった苺状血管腫では、治療期間を若干長めに設定し、本来の自然退縮を早めるような目的になります。

単純性血管腫・苺状血管腫は2ヶ月から3ヶ月に1回レーザー治療を行います。個人差がありますが、数回〜10回程の照射が必要です。
※レーザー照射は予約制です。


治療の回数や頻度には個人差があり、全ての患者様に同じ臨床効果が得られるわけではなく、経過も異なるため、全体に半年から年単位の長い治療期間が必要とお考えください。

また病変によっては色が薄くなっても完全には消えない場合や、まれに大きく盛り上がった血管腫には効果が少ないこともあります。